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西野椰季子のサイト

【自己流マクロビで悪化した原因】


マクロビを真面目に実行しているはずなのに、なぜかどんどん具合が悪くなっていく……。
「一体、何が間違っているんだろう」
こんな不安を感じたことはありませんか?

気付かないうちに『自己流』になってしまっているかもしれません。
自己流マクロビの危険性と、原因について解説します。

そこには意外な原因が潜んでいました……。

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自己流マクロビの危険性とは

56歳女性のTさんの事例です。

高血圧になってしまい、健康に不安を感じてご相談に来られました。
しかしTさんには他にも問題が山積みだったのです。
長い間ずっと便秘で、気分が落ち込みやすくなってきてやる気も低下。
血液がドロドロになっているんですね。
歯痛もあり、腰痛、ガス腹、日中の眠気も出ていました。
痩せ型で、肝機能も低下。
肝臓、腎臓、腸がとても悪くなっている状態でした。

しかしTさんはマクロビを6年も実行していたのです。
なぜこんなに具合が悪くなってしまったのでしょうか?

自己流マクロビで悪化する原因

守破離という概念があります。
千利休の訓で、成長のプロセスによく用いられています。
そのうち『守』とは、「師匠から教わった型を徹底的に守ること」です。
決められた型を守り、繰り返し基本を取得するよう練習するのです。
そうして型を習得してから、その型を破って自らの型を習得することが『破』です。
つまり守ができないうちから、自己流で実践はできようがないわけです。

自分の体をよく知ることに務め、同時に体との対話を積み重ね、正しく理論を理解した上で、自分の体質、体調などに合わせて、食事内容をカスタマイズしていく。
このような領域に到達するまでには、一人ではかなり難しいと言えます。

また、相当な努力と時間と年月がかかることです。
数日や、数週間では、どんな人であっても到底無理と言えるでしょう。

人は、自分に都合の良い解釈をしてしまいがちです。すると、非常に偏った“自己流”になってしまいます。
これは上記のような、自分自身の体に合わせていくカスタマイズとは全く別の次元です。

自分の体を知る、理解するというのは、本当に簡単なことではありません。

例えばマクロビの講座や教室へ行ったり本を読んだりして勉強して理論を理解したとします。
しかし実践を伴わない理論上の理解というのは、分かったつもりになっているだけであり、いわゆる、机上の空論となってしまいます。
本質的な理解ではなく、理解という名の思い込みになってしまうのです。

しかも体は常に変化し続けますから、一つのやり方を正しいと信じ込み、やり続けるのは、体を無視していることになり、あまりにも危険です。
体を無視すれば、かならずそれが健康とは真逆の道を行くことになっていくからです。

それを回避するためには、自己流マクロビではなく、必ず経験と知識の確かな指導者について、正しいやり方を習得する必要があります。

自己流マクロビでありがちな問題とは?

自己流マクロビを続けていくと、ありがちな問題があります。

問題点の発見ができないまま、年月が経ってしまう。
実は体に悪いことも分からないまま、やり続けてしまう。
そのため、体との対話ができなくなり、結果、健康を害することになります。

Tさんも、自己流マクロビを長い間続けてしまって、体調がどんどん悪くなる一方だったのです。

・玄米を食べる
・雑穀を取り入れる
・塩分の計量は大雑把
・油の使い方も大雑把
・不安なのでサプリメントを摂る
・オーガニックの「栄養ドリンク」を飲み
・料理はかなり手抜きで、外食が多い
・料理をしたくないので外食で済ませる
・残り物や穀類でお腹を満たす
・便秘になったら便秘対策の「●●茶」を飲む
・「●●水」が健康に良いと聞いて取り入れる
・料理をしたくないけれども野菜を摂らねばという焦りから、手当たり次第に素材を放り込んだスムージーをがぶ飲みする……

……といった、かなり混沌とした食事状況でした。

自己流マクロビと間違った指導によって増していく混乱と不安

Tさんは、マクロビの食事指導をあちこちで複数回受けられ、そのたびに異なったアドバイスをもらい、さらに混乱。

混沌の食生活に間違ったマクロビ指導が複合し、混乱と不安は増すばかり。そして健康状態はどんどん悪化していったのです。

これでは体調は悪くなる一方です……。
良くなりようがありませんね。
本当に恐ろしいことです。

このように、体に良いと謳うものを手当たり次第に取り入れてしまうのには、原因があります。
毎日、自分の手で作り出す『料理に不安がある』からなのです。

不安があるから、その不安を消したい。
何が良くて、何が悪いのかわからない。
何かが不足しているのは分かるけど、何かが分からない。

その不足なものを何とか補わなければいけないのではないか?
……という、一種の強迫観念なのです。

玄米に頼れば良い?
サプリメントに頼れば良い?
……いいえ、それは、解決策ではありません。
常に何かに依存しているのです。

自分の体に適切な料理が作れて、そのことに心から満足し、楽しめていたら、自然と、余計なものには手を出さなくなるのです。
なぜなら、体は必要なもので満たされているからです。

毎日、自分のために、そして自分の体のことを考え料理をする、あるいは、家族の体のために料理をする、それが人が生きる上での基本、つまりそれが『生きる』ことだと思います。

マクロビを正しく理解・実践するための思考

食事や生活状況が混沌としている場合、思考の仕方にも原因があります。

なので、その人自身の思考の歪みや、成長を妨げてしまう悪い思考の癖を直さなければいけません。

もちろん食事を正さなければ体調は改善されないのですが、歪んだ思考では、アドバイスが適切であっても、常に自分の頭の中で勝手に歪められてしまうため、正しく伝わらないのです。

まず、自分の思考が歪みやすい、あるいは、勘違いをしやすい、というところから自覚しなければ、永遠に間違いを繰り返すことになってしまうのです。

自分の体にとって、本当に良いもの、本当に必要なものを得るためには、適切なアドバイスを正しく受け取るという、器が必要なのです。

Tさんには、先述した食生活の内容は全てやめていただくようアドバイスしました。
危険な自己流マクロビからの脱却となったのです。

3週間の間にかなり食事の改善が見られましたが、このような状況にならないためには、できるだけ早い段階で適切なアドバイスを受ける必要があり、しかもそれを【正確に実行する】ということが、本当に大切だと痛感しました。
まさにこれが『守』ということですね!

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