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西野椰季子のサイト

【知っておくべき『好転反応』のワナ】

マクロビで間違える原因の中でかなり多いのが、『好転反応』という言葉の重大な誤解と、それによって生じる間違った対処です。
好転反応とは何なのか?
どう考えればよいのか?
解説していきます。

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好転反応だから我慢すれば治る?

マクロビでよく使われる言葉として『好転反応』があります。
この場合の好転反応は、何か食事を変えたり生活の仕方を変えたりして、体に出る症状などを指します。

単に言うと「なんか体がツライけど、治る過程の反応」だという解釈です。
そうすると……「だから、我慢しよう」となってしまいますよね。
我慢とは、何もせずただ耐えしのぎ、症状を放置することです。

それって、大丈夫でしょうか?
いいえ、全く大丈夫ではありません。

好転反応は我慢してはいけません。
というよりも、マクロビで使われている『好転反応』という言葉や解釈自体が、間違っているのです。

「好転反応だから大丈夫」というのは、以下のような<根拠のない楽観的な考え>になってしまいます。

◆対処しない(いつか治まるだろう)
◆放置する(対処がわからない、このくらいなら平気、などの理由)
◆玄米食べてるからいつかこの状態から脱するだろう
◆マクロビやってるからきっとそのうち良くなるだろう

しかし何らかの症状が出た場合、決して我慢したり放置してはいけません。

なぜなら、何らかの症状が出た場合、すべて理由があるからです。
たとえそれが「肩こり」や「腰痛」などといった、割と誰にでもあるようなものであっても、それがどこから来る症状なのか?体に何が起こっているのか?ということを、検証するべきなのです。

まずは、現状をしっかりと確認する必要があります。

例えば、

◆食べ方や飲み方に、間違いはないか?
◆食事の内容に、問題はないか?
◆食事以外の生活に、問題はないか?

などですね。
検証し、分析し、データをとり、その上で、どうするか(対処・対策)を考えていきます。

好転反応だからと我慢したら症状が慢性化

例えば「1年前から頭痛が毎日のように起きています」という人。

その症状の本当の原因は、実は1年前からのものではないのです。
頭痛という症状として自覚するずーっと前から、じわじわと体に溜めていた毒素が原因なのです。

ですから、1年放置すればそれだけ回復が遅くなるのは当然です。
何年も放置すれば、当然ながら回復にはそれ以上の年数がかかってしまうこともあります。

実は、マクロビをされている方にも、本当に多いのです。
症状の慢性化。
頭痛が起きた人は「1年前から玄米を食べ始めました」と言うのです。
食事を変えて出た症状だから、好転反応だと思い、頭痛を1年も我慢し続けていたことになります。

または、指導者に症状について相談したところ、「それは好転反応だから問題ない」と言われたケースも多いです。
私は、これは指導者の怠慢だと思います。
正しい対処法が分からなくて教えられず、好転反応だと処理してしまい、症状を放置することになってしまうのです。

好転反応だから、排毒だからと、とある症状を放置していたTさんも、自己流マクロビ10年め。
ところが、数年前から過食が止まらず、もう少しで糖尿病、というところでした。
お子さんまで巻き添えにする寸前でした。
本当に危なかったです……。

なぜTさんは、症状を排毒だから好転反応だからと、我慢し続けてしまったのでしょうか?

慢性化とは何か?

ここで改めて、『慢性化』について考えてみましょう。
症状を長い間、放置すると、どうなるでしょうか?

そうですね、<慢性化>です。

慢性化とは……
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まん‐せい【慢性】
1 症状はあまりひどくないが、治りにくく、経過が長びく病気の性質・状態。⇔急性。
2 望ましくない状態が長く続くこと。「―化した不景気」

※goo辞書より引用

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つまり、早く対処すれば回復も早かったのに、長く放置していたため、回復しにくくなってしまった。
いわゆる「こじらせてしまった」状態ですね。

ですから「なってしまった」ではなく、「自ら慢性化させた」という表現になるでしょう。

好転反応だと思い慢性化させてしまう原因

Tさんは、3週間の個人相談を受けられ、食生活を修正し、現在は長期サポートを受けられています。
しかし、ご自分の症状について『慢性化した症状』と『好転反応』との区別ができず、混乱した思考を正しく整えるのに数か月も費やしてしまいました。

Tさんに限らず、ご相談に来る方は、
私が「この症状はいつからですか?」と聞くと、
「さあ……いつからだったか……ずっとこうなんです」
とか
「毎年、冬になるとこうです」(自分はこれが普通だという感じ)
などという返事が結構、多いのですが……

このような人は、すでに症状に対して<無感覚>になってしまっています。
症状が出ているのに、自覚がないのと同じ状態になっているのです。

このような自覚が無い状態は、とても恐ろしいものです。
次々と症状を増やしたり、悪化させる可能性が高いからです。本当に思い込みは恐いですね。

『好転反応』という言葉によって、思考が操作されてしまうのです。
すると、何か症状が出たり体調が変だな?と思った時に、対処を間違えてしまいます。
別の記事でも書いていますが、『排毒』という言葉でも同じような間違いがよく起こります。

好転反応という言葉をやめる

最も体に対してやってはいけないことは、症状の放置、症状を我慢すること、出ている症状に対して間違った対処(手当法など)をすることです。
さて、それではどうすればいいかというと。

体にとって良いこととは?
まず、<予防>です。
つまり症状が出ないように、体にとって正しい日常生活をすることです。
さらにそれでも何か起こった時、早急に正しい対処をすることです。

決して「排毒」とか「好転反応」と言われたからといって、決して症状を放置しないようにしてくださいね。
症状が慢性化すると、治すのに本当に本当に苦労します。
何年もかかってしまうことがあります。

好転反応という言葉を使った瞬間、考え方を間違えてしまいます。
なので、まずこの言葉を使わないようにするとよいです。
好転という言葉を使うことによって、なにか反応らしきものが出てもそれは好転するのだという誤った判断になるのです。

好転反応だと言われると、なぜか「じゃあいつか自然に終わるから症状が消える(好転反応が終わる)まで我慢して待っていればいいんだ」と思ってしまうんですね。

実は、症状は「出てからでは遅い」のです。
それ以前の、日常の過ごし方、食べ方、飲み方が大切なのです。

國清先生も『無塩食概論・四』でおっしゃっています。

「反応というのは一般的に言うと、(体内の)毒が代謝して出てくるときに伴う症状。その内容を見極めることが重要であって、好転反応だからといって放っとけばいいというのは間違いだということですね」――國清拡史先生 『無塩食概論・四――1,好転反応のまちがい』より

まとめると、『好転反応』という表現でなく『症状』として考えること。
そして症状は放置せず、原因と対策を考え実行すること。
この2点を覚えてくださいね。

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